2017年9月3日日曜日

第3回パリ短歌イベント パリ短歌クラブ賞ほか各賞の受賞者発表

第3回パリ短歌イベントのための短歌賞へのご応募ありがとうございました。合計61首が集まりました。フランス各地からの応募に加え、日本、アメリカ、カナダ、ラトビアからの応募がありました。

9月2日、パリ短歌イベントの際に、参加者が投票を行い、下記の短歌に各賞を授与することを決定しました。参加者のみなさん、どうもありがとうございました。

受賞者のみなさん、おめでとうございました。


   ◇◇◇
 

パリ短歌クラブ賞
 
少年の大きく開くパリの地図車椅子からはみ出している                   阿部小百合

 
   ◇◇◇

 
在フランス日本大使館賞

少年の大きく開くパリの地図車椅子からはみ出している                   阿部小百合
 

在仏日本人会賞

日の暮れぬ夏の夕べは汽車にのりノルマンディーの海までゆこう    吉田田鶴子
 

パリ日本文化会館賞

木管の第一音より立ちのぼるオンフルールのあけぼのの色    川美江子(東京都)       


パリ国際大学都市日本館賞

閘門を開けて運河を満たす間に(ぬく)み求めて君に寄り添う              竹崎敬子

  
   ◇◇◇

 
大野道夫特選賞(特別参加)、美帆シボ特選賞、野原亜莉子特選賞、渡辺一敏特選賞、横森ちづ子特選賞

少年の大きく開くパリの地図車椅子からはみ出している                 阿部小百合
 

守中章子選者賞、伊藤惠子選者賞

日の暮れぬ夏の夕べは汽車にのりノルマンディーの海までゆこう    吉田田鶴子

 
山口文子特選賞、宮里万里特選賞

口にするだけで月曜明るくてエールフランスを二席押さえぬ   笹本碧(千葉県)


松本実穂特選賞

木管の第一音より立ちのぼるオンフルールのあけぼのの色    北川美江子(東京都)       

 
レリトー真美架特選賞

閘門を開けて運河を満たす間に(ぬく)み求めて君に寄り添う         竹崎敬子
 

浦田良一特選賞

パンテオンにシモウヌ迎えるその日には女達(われら)の祈り空揺るがさむ         寺田恕子
 

森山佳久子特選賞

荒波の岩にくだくるブルターニュ果てなく広し海原と空       浜中万喜子          

服部崇特選賞

「おとうしゃん!」両手伸ばして《抱っこして》パリに生まれて二度目の夏に        齊藤あや子


橋本勝義特選賞
 
我が妻よ(Mon amour)我が愛する妻よ(Ma chere femme)我がハート(Mon cœur)、呼ばれる度に小皺が揺れる    レリトー真美架

 
鈴木晴香特選賞

路地裏の猫もパリっ子しっぽ立てジュトゥヴジュトゥヴと囁き合えり     佐久間得幸(愛知県)


堀切克洋特選賞

神様が芝生の上に降りてきたダ・シウバ・サントス・ジュニオールは右利き       石田郁男


齋藤紀子特選賞

セーターを羽織りて綴る暑中見舞い涼風はこぶも寂しさぞます          浦田良一
 

吉田田鶴子特選賞

マロニエのま白き花よこのゆふべ季節外れの雪ふりしきる               服部崇

 
浜中万喜子特選賞

ベルサイユ王妃の恋の田舎家を愛でし語りし母今は亡く           森山佳久子


小島麻智子特選賞

タクシーのドアを手で開け思い出すまたこの国に帰って来たと          菅野みゆき