2016年3月24日木曜日

『心の花』に『パリ短歌2015』が紹介されました

『心の花』2016年2月号の新刊歌集歌書評の特集欄に佐佐木定綱さんが『パリ短歌2015』を取り上げてくださいました。ありがとうございました。


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かもめ飛ぶマルセイユ港に捕りたての鮟鱇を売る漁夫とその妻  美帆シボ

正面をガーゴイルらが埋め尽くし迫りきたれり我が見上ぐれば  服部崇

遺跡から還る階段ひなたぼこするトラ猫は時知らぬまま  松本実穂

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『世界樹』に『パリ短歌2015』が紹介されました

『世界樹』33号(2015年12月発行)に『パリ短歌2015』が紹介されました。八名の作品を数首ずつ引用いただいておりますが、そのうちの最初の一首をここに掲載いたします。ありがとうございました。 


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われを見よ右に左に呼ぶ声す赤みをおびし桜桃(スリーズ)の実の  美帆シボ

青年は通りすがりに我に向き井戸の在り処を教へむとせり  服部崇

『フェードル』に(ほむら)なす恋たどりつつ聞けば総身にさやぐ葉桜  安田百合絵

機窓よりアドリア海の碧き()にいち航跡のいさぎよき白  松本実穂

モスクの塔月のひかりにうきたちて人々祈る断食月(ラマダン)の夜  仲野麻紀

胎内にありし記憶を探るやうに焚火をずつと見てゐたりけり  堀切克洋

おしゃべりを時計とともに埋め込まれ老女と過ごす人形のこと  高山花子

伊太利亜の老女の営む食堂の浅蜊のパスタなぜか懐かし  木戸美由紀

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